「青馬」と過ごした物語-11.アオ、ありがとう

アオ、ありがとう

すでに息絶えたアオのそばから、誰も離れようとしませんでした。その時私は、どんな時もアオと一緒だった手綱を引くおじさんがいないことに気づきました。しばらくすると、おじさんは息を切らせながら戻ってきました。アルミのやかんを手に、山へ湧き水を汲みに行っていたのです。アオは山へ行くと冷たい湧き水を飲むのが大好きでした。
「アオ、どうして待っててくれなかったんだ!病気なんかに負けるんじゃあないよ!何で死んでしまったんだ・・・。何でだよ、アオ!」
おじさんは頭に巻いた手ぬぐいを外し、口を手ぬぐいで押さえながら大声で泣きじゃくりました。思い切り泣いた後、少し気持ちが落ち着いたのか、おじさんは汲んできた湧き水をアオの口元に流してやりました。
「アオ、大好きな湧き水だよ。いっぱい飲みな!おいしいか?今まで本当にありがとう・・・」
おじさんは泣きながら少し微笑んで、アオに話し掛けていました-。

どんなに悔やんでもアオは生き返ることはありません。でも、みんなの心の中にアオは生き続けています。悲しい別れから六十年近くが過ぎた今、一日たりとも忘れることはありません。戦後まもない不自由な時代に、最も過酷な仕事を率先して引き受け、私たち家族を支えてくれたアオ。振り返れば、山での仕事だけ怪我も少なくありませんでした。猛吹雪の中、病人を馬そりに乗せて病院まで走ってくれたこともありました。

アオは、あの頃子どもだった私たちに白いご飯をおなかいっぱい食べさせてくれました。そのためにどんなに辛く、苦しい思いをして働いてくれたか。思い出すたびに切ない想いがこみ上げ、涙が出てきます。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。アオありがとう。
私はあなたの唄を歌い続け、亡くなった動物たちを偲び、そして動物愛護のためにこれからも活動を続けていきます。

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